「薪ストーブキャンプ 実践編」をどうぞ。
今回はまずこちらから
●薪ストーブの燃焼
ちょっと考えると、薪ストーブとは言え幕内で薪を燃やしたら煙だらけにならないかと心配になります。
もちろん場合によっては煙だらけになることもありますが、適切に使用すれば簡単にはその様な状況となりません。
▲ポイントは「ドラフト」
薪ストーブを語る上で必ず出てくるワードが「ドラフト(上昇気流)」です。
このドラフトを簡単に説明するとこんな感じです。
①薪ストーブで薪を燃やし始めると本体や煙突が暖められる。
②同時に炉内や煙突内の空気も暖められる。
③暖められた空気はその密度の違いから上に上がろうとする=ドラフト
④ドラフトによって炉内、煙突内の空気が少なくなる=周りの空気を吸い込み始める。
●つまりこのドラフトの力が強ければ薪ストーブ本体が周りの空気をたくさん吸い込もうとする(=煙突から排気する)ので幕内煙だらけとはなりません。
●逆にこのドラフトが弱く薪ストーブ本体が吸い込む空気の量より薪から出る煙の方が多くなると幕内煙だらけになります。
ではそのドラフトの力を左右するのは・・・
①煙突の立て方
まっすぐに立ち上がる煙突が一番効率が良いとされます。
しかし幕との組み合わせによっては横引きや途中で曲げないと設置できないケースもあるのでその場合は他の要素で補完することとなります。
②煙突の高さ
煙突が低すぎると幕へのダメージはもちろん、ドラフトが小さく薪ストーブがたくさんの空気を吸い込みません。
逆に高すぎても途中で煙突が冷えてしまいドラフトが弱まります。
その薪ストーブと状況に合った煙突の長さが必要となります。
③燃焼温度
燃焼温度が高く、加えて外気温が低い場合は気圧差も生じ、強いドラフトが発生します。
私もやったことありますが、薪ストーブの使い始め、薪の着火に時間を要し、幕内煙だらけ(笑)
焚き付けや良く乾燥した細薪を使い、素早く着火、できるだけ早く炉内の温度を上げることで煙の逆流が防げます。
●薪ストーブの運転
無事着火に成功し、炎が安定してきたら色々試してみます。
試す要素はこの3つ。
①薪の量 ②吸気 ②排気
①は当然ですが、薪をたくさん入れればそれに伴って大きな熱量を得られます。
②は吸気口(空調口)の開閉によって空気が入る量を調節します。
当然ですが空気がたくさんはいれば良く燃えるし、少なければあまり燃えません。
吸気口の開閉で火力調整の一端を担います。
③はダンパーとよばれるもので煙が出る量(排気)を調節します。
薪ストーブ(煙突)によってはダンパーが付いていないものもあります。
そもそも煙(排気)なんて調節もなにも出れば出るほど良いようにも思えますが、実際は少し異なります。
↓こちら煙突から白い煙が出ているのは不完全燃焼によって可燃性ガスが排出されている状態。
この時、煙突から出る煙の量をダンパーで絞ることで・・・
→炉内に煙(可燃性ガス)が滞留
→炉内で二次燃焼が発生
→こうして高い燃焼温度が得られ、薪の節約やススやタールの抑制につながります。
なおこの時の炉内は完全燃焼に近い状態で、煙突からは透明な煙(?)がゆらゆらしていてるのが見てとれます。
①薪の量 ②吸気 ②排気
これらの要素を調節することで二次燃焼による何とも不思議な炎の揺らめきを見ることができます。
私が窓付きの薪ストーブにこだわったのはまさにコレを見たいがためでした。
そうそうこの吸排気、車やバイク好きならもうお分かりかと。
キャブレター、メインジェット、エアフィルター、マフラーなどによる吸排気の関係と良く似てますよね。
当時散々いじりまくった挙げ句、やっぱバランス(ノーマル)が一番と気付いたあの日・・・
さて次は
●キャンパー泣かせの薪問題
「幕の養生」は一度解決すればその後あまり問題となりませんが、この薪問題はなかなか解決できません。
①薪を持参する
↑積載が大変
②良い薪があるキャンプ場に行く
↑キャンプ場の選択肢が減る
では「必要な薪の量」とは?
薪ストーブの大きさ、薪の種類、稼働時間などに大きく左右されますが、ウチの場合だと20~30kg/日が目安です。
なおこの量は日中にあまり薪ストーブを使わない前提です。
雪中キャンプなど昼間も幕内に籠もったりする場合はさらにたくさんの薪が必要となります。
こちらは2泊3日で60kg弱の薪を持参した時の積載です。
薪の奥にも薪が積んでありとにかく薪だらけ(笑)
別の3泊4日の年越しでは車2台に分け80kg以上の薪を持参しましたが、日中も稼働させることが多かったため薪が足りなくなりキャンプ場で買い足しました。
②の「良い薪があるキャンプ場に行く」
こちらを選択すると薪を持参する苦労はありませんが候補地が限られてしまいます。
まぁあまり贅沢は言いませんが・・・
良く乾燥した広葉樹の細割り
太割などが安く販売されてて
場内に温泉があって
かまくらとか作ってあって
炊事棟から温水が出て
トイレはウォシュレットで
サイトは200㎡以上またはフリーで
人工物が少なくて
そのくせ近くにコンビニがあって
年越しキャンプウェルカムで
家から1時間位の距離で
予約が取りやすければ最高・・・デス。
薪はトン単位で購入すればそこそこ安くなりますが、キロ単位では結構な値段となります。
例えば一束600円(約7kg)とすると、2泊3日分で56kg=4,800円となり、石油ストーブとは比較にならないほど高く付きます。
しかし、やはり熱量は最強!
こちらは8~10人用のテントで薪ストーブ一台を普通に稼働させた時のものです。
外気温氷点下で幕内25度
さらに薪を足せば簡単に30度を超えるので
まったく意味のない
しかしどうしても一度はやってみたい
「冬キャンでTシャツ一枚」が実現します(笑)
ちなみにウチで使っている石油ストーブ「レインボーストーブ(出力2.5kW)」を同じ環境下で使用した場合だと幕内温度10度前後がやっとといった感じでしょうか。
あれれ・・・
全2回と言ってましたが終わらなかったorz
やはり薪ストーブの世界は奥深いです。
*なにぶん薪スト初心者なので、誤った記載等あればご指摘お願いします。
次回「薪ストーブキャンプ 実践編その2」へ続きます。
<愚痴その2>
おい!チャンホン!
頼むからUターンしろ!
今週末絶望的じゃんかぁ